いくつものターニングポイント

宇宙の星々のサイクルや、地上に刻まれてきた人類の文明の歴史を紐解くと、現代はいくつものターニングポイントが折り重なる大転換の時にあることが観えてきます。大いなる時の流れの中で今、私たちがどのような時代を生きているのかを見てみましょう。

太陽の1螺旋(らせん) 25800年

25800年ぶりのターニングポイント

「地球が太陽の周りを回っている」ということは、現代を生きる私たちの多くが認識しています。しかし、太陽もまた、銀河の中心であるセントラルサンの周りを螺旋を描きながら回り続けているということをご存知でしょうか。

*太陽と地球を含む惑星たちの動きについては、こちらのイメージ動画をご覧ください。
 → The helical model – our Galaxy is a vortex

太陽は宇宙空間に静止しているのではなく、螺旋を描きながら銀河を回り続け、その回り続けている太陽の周りを地球や他の太陽系の惑星たちが回り、その地球の周りを月が回っています。さらには、銀河自体も宇宙を移動し続けており、決して止まることはありません。それは、私たちは広大な宇宙の中を、常に未知なる場所へ向かって旅し続けているということです。

太陽は、およそ2億2600万年をかけて銀河を1周します。そして1周の間に、約9000回の螺旋を描きます。その1螺旋のサイクルは、25800年です。地球が年に一度夏至と冬至を迎えるように、太陽系もまた、25800年ごとに夏至と冬至を迎えます。これを「銀河の夏至」「銀河の冬至」と言います。夏至は、そのサイクルの中で最も光が強くなる、光のピークです。対して冬至は、最も光が少なくなる闇のピークです。今からおよそ12900年前、私たちの生きる太陽系は光のピークである銀河の夏至を過ぎ、そこから冬至に向かって徐々に闇が増していくサイクルに入りました。闇が増していくということは、真実が観えなくなっていくということです。本当に大切なものは何であるのかが見失われていく中で、人々は物質的な豊かさを追い求め、際限なく膨らんでいく欲望を満たす物質文明を発展させていきました。それは、すべてが拡大していくサイクルでもありました。拡大するとは、距離が遠くなることです。離れていくことで人々は孤独になり、分離し、争い、不安からより多くを求めて自然を破壊し、今や地球は処理しきれないほどのゴミの山となりました。しかし闇が増していく中では、人々は自分のしていることが世界に何をもたらしているのかが見えず、それが良いことだと思い込んで突き進み、地球にたくさんの問題を積み上げてきたのです。

そして2012年12月21日、太陽系は25800年ぶりの「銀河の冬至」を迎え、それまでの闇が増していくサイクルから、光が増していくサイクルへと切り替わりました。それは、いよいよ光が差し始め、これまで闇に紛れていたものの実態が照らし出される時がやってきたということです。

地球上の四季のサイクルでも冬至を越えた後に最も寒さが厳しくなるように、銀河の冬至を越えた今、これまで私たち人間が積み上げてきたことの結果が現象となって次々に現れ、それと向き合っていく困難な時代が始まります。けれども時代は、確実に光へと向っています。息を吸えば必ず吐くように、時代は拡大のピークを極め、収縮していくサイクルへと入りました。収縮するとは、余分なものをそぎ落とし、距離が近くなっていくということです。これまでの良いと思ってやることが間違いを積み重ねてきた時代から、その間違いが明らかになっていくことで、これからは良いと思ってやることが本当に良いことにつながっていく時代に入ります。物質的な豊かさではなく、心の豊かさを探求する時代が始まったのです。

太陽の1/4螺旋 に見る「天盤の巡り」

民衆が目覚める時代「白陽期」の始まり

太陽系が光のピークから闇のピークへと向かう中間点にあたる、6450年前。この頃に紙と文字が発明され、人類史に「有史」として刻まれる文明が発祥しました。以来、人間は本来多次元構造であるこの世界を、紙の上に平面的に表すようになり、善悪や損得などの二元的思考で世界を捉えるようになりました。

中国の道教に伝わる「天盤の巡り」には、人類の文明史はおよそ6450年前から3000年間余りの「青陽期」、そこからさらに3000年間余りの「紅陽期」を経て、1927年より「白陽期」へと入ることが示されています。青陽期とは王が民衆を支配する時代、紅陽期とは聖人が民衆を教え導く時代、そして白陽期とは、民衆が自ら目覚めていく時代です。一人の優れたリーダーが他の多くの人々を率いていた時代から、一人ひとり誰もが目覚め自らの足で立つ時代が始まることを、先人たちの叡智が予言しており、現代はまさしく、その始まりの時にあるのです。

*このような宇宙的サイクルには移行期という期間があり、実際に現象化されるには100年ほどの期間が必要とされるものです。

文明の1600年周期

西洋物質文明に代わり 東洋精神文明が開花

太陽の1/4螺旋の間に起きた人類の文明の歴史を紐解いてみると、800年ごとに東西の文明の盛衰が入れ替わり、1600年を一つのサイクルとする一定の周期が浮かび上がります。一方が活発に花開く「開花期」に入れば、もう一方は次の芽吹きのための「準備期」へと入り、まるで二重螺旋を描くように、東西の文明は対となって発展しながら、時代を進んでいます。

この周期の最も最近の800年間を振り返ってみると、13世紀から20世紀までの800年間は、ルネッサンス、大航海時代、そして産業革命と、物事を細分化し科学的に捉える西洋物質文明が花開き、世界をリードする時代でした。しかし2000年を過ぎたところで、東西の盛衰が入れ替わります。この800年間に繁栄を極めた西洋文明は、その繁栄の終焉を迎えて次なるサイクルの準備期へと入り、代わって800年間の準備期を経た東洋文明が花開いていく時代が始まったのです。

東洋文明とは、目に見えるものの奥を感じ取り、物事を統合的に捉える精神文明です。特に近代以降、隆盛を極める西洋文明に染まっていった日本を始めとする東洋の国々は、本来の精神性に馴染まない借り物の文明を模倣することで、多くの矛盾を生み出しました。そして800年間の繁栄の末に西洋的物質至上主義は行き詰まりを迎え、今また東洋の国々が、自らの中に眠らせていた本来の精神性を呼び覚ます時がやってきました。しかしこれまで多くの矛盾を抱えてきた分、この転換の時に起こる混乱は、西洋の国々よりもさらに大きなものとなるでしょう。

歴史を振り返ってみると、東西の文明が入れ替わる転換の時には、必ず世界的な大動乱が起きています。そしてそれは移行期として、およそ100年間続きます。その周期に照らし合わせてみると、現代はまさしく世界動乱の始まりです。今世界中で起きている混乱は、時代がこの大転換の時にあることを示しており、東西の文明は互いに対向発生しながら二重螺旋を描いて、まるでDNAのように、その時代ごとの情報を自らに刻み、未来へ向かって物語を紡いでいるのです。

冥王星の1サイクル 248年

産業革命以降の価値観から、新たなサイクルへ

冥王星は、太陽系の八つの惑星の外側を独自の楕円軌道を描いて周りながら、時に海王星の軌道の内側へ入り込んで外宇宙の秩序を太陽系の内へと運び入れてくれる、宇宙のスピリットとの交流の星です。248年をかけて太陽の周りを1周する冥王星のサイクルもまた、地球上の時代の一つの節目を示しています。

光のピークを起点とする、1760年から始まった最も最近のサイクルは、産業革命によって人類の暮らしが劇的に変化し、大量生産・大量消費が急速に広まって、世界の人口が爆発的に増えた時代でした。産業革命発祥の地であるイギリス、そのイギリスから独立を果たしたアメリカが世界をリードし、資本主義経済が極度に発達しましたが、冥王星が太陽を1周して再び光のピークへと到達した2008年、リーマンショックで世界経済が大混乱に陥るという象徴的な出来事が起こります。それと前後し、アメリカでは同時多発テロ、イギリスではEU離脱決議が採択されるなど、それまで世界をリードしてきた大国が大きく揺らぎ始め、産業革命から始まった一つのサイクルは終焉を迎えました。そしてこの2008年を境に、それまで増加を続けていた日本の人口は、減少へと転じたのです。

この冥王星のサイクルには、光のピークと闇のピークの他、冥王星が太陽から最も遠くなる遠日点と最も近くなる近日点、冥王星の軌道が黄道面を北へ通過する昇交点と南へ通過する降交点など、いくつかの特別なポイントがあります。

これらのポイントを日本の元号の切り替わりと照らし合わせてみると、そこに不思議な一致が見えてきます。

  • 1867年〈遠日点〉 大政奉還により明治が始まる
  • 1913年〈闇のピーク〉 前年に大正が始まる
  • 1930年〈昇交点〉 1926年に昭和が始まる
  • 1989年〈近日点〉 平成が始まる
  • 2020年〈降交点〉 前年に令和が始まる

即ち、日本の元号の変遷は宇宙の星のサイクルと連動しており、元号が変わることは日本一国だけのことではなく、世界にとって意味がある、宇宙的なセレモニーなのです。2019年5月1日、30年以上に及んだ平成の時代に幕が下り、新時代「令和」が始まりました。そして冥王星は、産業革命から始まった248年間のサイクルの終わりを告げ、既に次のサイクルへと進み出しています。

ともこいくつものターニングポイント